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2021.10.28

やまがたモノづくりパワーと その魅力

やまがたは伝統の技から先端技術までモノづくりが盛ん。その技と経験ですぐれた製品を生み出し、モノづくりを支える力と技を発揮する人を紹介します。

全国伝統建具技術保存会理事長 山形市伝統建具工芸協同組合理事長 石山孝次郎さん

金峰神社桟唐戸の修復作業の様子

組子細工は細い木片を、釘を使わずに組み合わせ緻密な幾何学模様をつくるもの。古くは飛鳥時代にさかのぼり、江戸時代に多くの紋様がうまれました。

ポリテクセンター山形 所長 大室英樹さん

NC生産システム科での精密部品加工実習

模擬家屋は大工道具の使用と外装内装の施工も実習

株式会社後藤精機 代表取締役 後藤康之さん

後藤精機外観

数々の受賞・表彰歴をもつ全国伝統建具技術保存会理事長 石山孝次郎さんにお話をお聞きしました。
 
―職人の道の始まりは?
石山 昭和42年4月に学校を卒業後、弟子入りし、昭和49年に独立しました。修行で京都にも行きましたが、修行は下働きや片づけなどもしながら上級の方が働く様子を見て学んで自分のものにするのが大事です。どの業界でも仕事を覚えるには時間も年数もかかるし大変なことが多いものです。
 
―組子細工は華がありますね
石山 組子は寸分のずれも許されないので、じっくり集中して作業しうまくいったときは満足できます。非常に手間がかかり高価なので現在は注文が少ないです。3Dプリンタでも難しい技術なので、技術を伝え、人を育てていく環境が整えられればと願います。

 
―伝統技術でも活躍されていますね
石山 指定文化財の修復は一般の方は手掛けられず、特に国の指定文化財は検査機関が管轄すると求められる技術のレベルがまったく違います。修復として文化庁で認められているのは山形県内ではうちと加藤工匠さんくらいです。昔の技術を使って昔の手順や手法に則り極力昔の素材を使って行うのが修復保存なのです。志を持ち技術と経験、実績が伴わなければ携わることができません。一番印象が強かったのは瑞巌寺での修復作業ですね。伝統建具技術は2020年12月にユネスコの無形文化遺産に登録された伝統建築工匠の技に含まれています。全国伝統建具技術保存会には全国で58事業所が加盟し、技術にプライドをもって育成研修、養成に取り組んでいます。今はコロナでストップしていますが京都で年3回指導研修をしています。山形市の方は展示会や技術指導はしていますが会員は減ってきていますね。
 
―今後の希望を教えてください
石山 職人の正当な技術評価をしてほしいですね。本当にいいものは手間がかかるものです。技術を求められることが少なければ技術を継承するのは難しくなります。いいものを求めてくれる人、継承する意思をもち地道に作業できる人が増えてほしいと思います。
 
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職業訓練でモノづくりの基礎を指導するポリテクセンター山形の所長 大室英樹さんにお話を伺いました。
 
―ポリテクセンター山形について教えてください
大室 当センターでは主に就職を目指す方向けの公共職業訓練をしています。6~7か月の訓練で現在は6つの科があります。毎年200人以上受講しており、基本的には前職にとらわれずモノづくりの訓練をしていますので、知識や経験がまったくない方でも基礎を身につけていただけます。中には経験はあるけれど基礎から学びなおしたいとか、その業界に入ったけど基礎がわからなくてやりづらかった、といって受講される方もいます。
 
どのような技術を学べますか
大室 それぞれの業界で働くための基礎の部分を学びます。修了すれば基礎がある分就労しやすくなります。NC生産システム科には企業実習付きのコースもあり、1ヶ月間企業で実際に現場を体験訓練し疑問など持ち帰って最終月にフォローアップをする、より実践的な指導をしています。企業さんに協力いただけるのは本当にありがたいです。基礎を学んで就労して、能力開発セミナーでまた利用していただくとより知識技術が強固になります。

―修了生の活躍状況はどうですか
大室 令和2年度は修了生の約84%の方が就職されています。就職した方、就職先の方にも話をきき、基礎・安全知識を学んでいるのでありがたいとお声をいただきました。約60%の方が実際に修了した科の関連業に就いて学んだことを活かして活躍しています。修了後、就職活動状況の確認や相談などフォローアップしています。
未経験の方、男女とももちろんOKです。モノづくりの訓練といっても実習ばかりではなく、座学で基礎やCADなどを学んでいます。こういった分野に少しでも興味のある方は毎月施設見学会を行っていますのでぜひ来ていただければと思います。
 
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精緻な切削技術でモノづくりを行う株式会社後藤精機の代表取締役 後藤康之さんにお話を伺いました。
 
―御社のモノづくりの特長は?
後藤 工作機械を使った金属切削を行っています。「機械を作る機械」の部品製造で、旋盤とマシニングセンタを使い、半導体装置や過去には水素エンジンの部品も製造しました。高精度加工や複雑な加工も得意で、薄肉加工や研磨せずに旋盤のみで仕上加工する技術があります。自社ブランド品も開発しています。
 
―ポリテク修了生はどうですか
後藤 基礎を学んでくるので業務がスムーズですね。モノづくりが面白いと思う方でとてもいいと感じています。職人技を手順化した技術の共有を目指しているので、新製品の講習会にも参加してもらっています。

―モノづくりを目指す人へメッセージを
後藤 モノづくりという仕事は頭をつかえば価値のあるものを創り出すことができます。失敗して経験をつんでやっていく仕事なので、若い人たちにも探究心と物を作るプライドをもって積極的に挑戦し続けてほしいですね。

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